靖国神社問題の裁判における判決などに見られる、明確な判断を下しやすい利益均衡の考えから靖国神社問題を判断しようという考えもある。利益均衡の考えとは、参拝行為が誰にどれだけ利益や不利益を齎し、それが政教分離の観点から許容できるか否かを、程度を判断した上で計量的に示そうとするものである。
参拝によって政府が、特定の宗教を差別的に優遇しているか否について、もし優遇しているとすれば、それは他宗教の信者や、その宗教を信じていない者を差別していることになり、その判断としては、参拝によってその宗教が利益を得るか、という基準が挙げられる。
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例えば、首相や大臣が参拝する事によって、その宗教の好ましい社会的認知が広がり、布教に有利という見方ができる。この見方によれば、首相や大臣の参拝行為は靖国神社や伊勢神宮という個別の宗教法人にとって信者獲得の利益に繋がり、もし参拝が無かったら他の宗教団体へ入信したかもしれない人々を誘導した可能性を上げ、これは差別的優遇に該当すると解釈できるとする一部の意見もある。実際に、小泉純一郎首相による靖国神社への参拝が始まって以降、参拝客が急増している。この現象については、靖国神社問題に関するマスメディアの報道が大きく影響しているとの意見もある。
更に宗教的問題から離れて純粋に利益均衡で見ると、小泉純一郎首相による靖国神社への参拝によって、過去に日本の侵略を受けた中国・韓国との関係が悪化しており、経済や対北朝鮮政策(特に拉致問題)において少なからず損失を招いているという問題もある。とりわけ、中国がA級戦犯合祀を問題としていることが、利益均衡論議の焦点となっている。
この問題を取り上げた主要な訴訟をあげる。参考に玉串料公費支出についても解説する。